« 2009年1月 | トップページ | 2009年4月 »

2009年2月18日 (水)

郵政民営化の問題点解決策

郵政改革に反対の国会議員やその他評論家と称する方々の意見を見ていると、要するに採算が取れない郵便局が閉鎖されて地方切捨てではないか、山間部の人もまだらな地域に住むジーちゃん・バーちゃんが可愛そうではないか、ということのようです。全国あまねく一律にサービスを提供することが重要である、ということでしょう。民営化すると採算の取れない場所には店を出さないことは当たり前です。それが民営化です。

都会で儲けた(当然、過剰利益)を山間部につぎ込もう、さらには、簡保や郵貯での儲けを山間部につぎ込もうという発想です。都会に住んでいる住民は常に犠牲を強いられます。「良いではないか、便利なところに住んでいるのだから。嫌なら引越しすればよいではないか」と言われるわけですが、「田舎の空気の良いところに住み、物価は安く、目茶苦茶安い不動産税(現実には支払っていない)で大きな土地を持ち、それで郵便局が遠いくらいでガタガタ言うな。嫌なら引越しすればよいではないか」という反論は通らないようです。

この際、現実的に考えてみましょう。既得権益を擁護し彼らの甘い生活を庶民が支えるための改悪は受け入れられないし、かと言って、田舎の郵便局もどうにかしなければ(日本人が好きな社会主義政策です)、ということの解決策です。

簡単です。入札制にすればよいでしょう。この地域には絶対に金融機関が必要と判断するが絶対に採算が取れない地域に関し「いくら補助すれば店を出して必要なサービスを提供するか。いくら補助すれば郵便の集配をやってくれるか」を入札すれば良いのです。入札参加者は銀行・信金・信組・農協等になるでしょう。宅配業者にも門戸を開くべきでしょう。もちろん、税金の投入です。従来は表面的には税金という形を取らないで、高い料金で都会の住民から収奪していたわけですが、公明正大に税金でやれば良いわけです。それが公正性というものでしょう。これまでやっていたことを透明性をもたせながらやりましょう、ということです。

税金の投入に国民大多数が反対するのであれば、過疎地の郵便局閉鎖はやむを得ないでしょう。住む場所によって良いところと悪いところがあります。悪いところばかりあげつらって、正義の味方の振りをして既得権益の擁護や回復をはかる輩の作戦に乗らないようにしましょう。

ところで、小生の住んでいる地域(一応、都会です)の郵便局は目茶苦茶待たされます。銀行も混んでいますが、銀行の比ではありません。民営化前も後も同じです。他に競争相手がいないと既得権に胡坐をかいています。郵政のすべての業務に競争原理を導入して欲しいものです。

(2009.2.18)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月16日 (月)

中川大臣の酩酊劇

日本のマスコミは一体どうなってしまったのでしょうか。戦争中の特高でも復活して検察によるマスコミへの恐怖支配が行われているのではないか、と疑いたくなります。

あのテレビを見た人は100%同じ意見でしょう。無茶苦茶に酔っ払っています。他の何ものでもないでしょう。100歩譲って風邪薬を飲んでいたとしても酷すぎます。主たる原因は酒です。また、10代の子供でもあるまいにあれほど酩酊するほど風邪薬を飲むとはどういうことなのでしょう。薬には必ず「何錠をいつ飲め」と説明があります、もう100歩譲って薬を飲みすぎたにしても、薬だけではあーはなりません。薬を酒と一緒に飲む人が我が国の主要閣僚ポストの2つを一人で占めています。薬の説明書きも読めないような人に元々2人が担当していたポストを一人に任せてよいのでしょうか。しかも、危機的な経済状況下での超重要ポストです。

然るに、腫れ物でも触るようなマスコミの報道は何なのでしょうか。この国辱ものの茶番を追求しようという気は無いのでしょうか。世も末です。これが庶民の偽らざる感情でしょう。

麻生さんは首にするのかと思いきや、しっかりやれと続投を指示したようです。あー。

ちなみに、中川大臣が兼任する2つのポストは、そもそも大蔵省に財政と金融の2つの権限を与えているために日本が経済金融の舵取りを誤ってきたとの反省の下に、橋本政権下で大蔵省を分割したことに始まります。つまり、財政と金融は別個であるべきとのコンセンサスであったものを、麻生さんが自分勝手に「一人で担当すべきと考える」(つまり、横暴を極めた大蔵省を復活させる意図が垣間見れます。麻生さんは徹底して官僚の見方であり、庶民の味方ではないようです)として、中川大臣に兼務させたものです。

小生は本当に麻生さんに期待していたのですが、あまりにも酷すぎます。政治家として失格だと最近は思うようになりました。政治屋としては合格かもしれませんが。

(2009.2.16)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月15日 (日)

鳩山総務大臣 この人どうにかなりませんか?

かんぽの宿のオリックスへの一括売却問題に関連し前にも書きましたが、鳩山総務大臣のノー天気振りが気になります。

最も気になるのは、どうもこの人も郵政民営化には賛成ではなかったようだということです。ならば男らしく小泉さんに盾突いて自民党を離党していたのであれば立派なものですが、密かになりを潜め、自分に損は無いと判断できる状況になってようやく本音を吐いているようです。かんぽの宿の5年以内の売却という法の縛りも改正すれば済む問題だ発言しています。郵政が本当に利益をあげる組織になる(換言すれば、庶民の金を既得権益者間でポケットに入れあうのではなく、逆に、税金を支払い庶民のポケットを少しでも楽にする)ことなんかどうでも良いようで、ただただ票の欲しさのために国民を郵政関連の既得権益団体に売り渡すつもりのようです。

年間50億円を赤字を垂れ流すかんぽの宿を誰でもいいから買ってもらい、身軽になり本業に専念させ利益を出させ税金を納めさえるための売却ですが、それを止めるということは郵政全体での赤字はどうでも構わないし、どうせ国民から高い郵便料金で回収すればよい、という気持ちのようです。日本の郵便料金は諸外国に比べて高いことを知っていますか。一人郵便1回につき10円余計にとれば、それだけで12億円になります。年に10回程度は郵便を出すとすると120億円です。これほんの僅かの例ですかこのような余剰が既得権益者間で配分されています。庶民切捨て、既得権益保護の典型的発想です。

もう一つは、この人は経済が分かっていません。2,000億円出して建物を作れば2,000億円の価値があるわけではありません。不動産の価値はそれが将来生み出す利益(正しくはキャッシュフロー)で計算されます。グリーンピアもしかりですが、馬鹿げた建物を作り、しかも、不当に高い建設費を不当に支払い建設会社への天下り先まで確保していた郵政関連官僚達の頭には経済性という考え方はゼロでした。だから赤字を垂れ流しています。赤字の建物を従業員の雇用まで維持して簿価以上で買ってくれる民間企業に「さすが、民間は凄い」と感謝するのではなく、全面否定するとは、あー、世も末です。

ちなみに、年間50億円の赤字を出す不動産の価値はいくらか、といえばゼロ以下です。それが世の中です。経済の常識です。民間だから「俺が経営すれば、親方日の丸経営を止めれば、改善できる」と思うからプラスの値段を付けたわけです。

年間50億円の赤字を出す施設を郵政が維持するということは、誰がその維持費を支払うのでしょうか。鳩山さんではありません。我々国民です。、もしかして、鳩山さんの行動を痛快だと評価している人がいるのではないでしょうか。テレビを見ていても、いてもいなくても良いような評論家(いないほうが良いと思いますが、それでは時間がもたないのでしょう)の多くも同じようなことを言っています。つけは誰も支払ってくれません。我々が支払うのです。忘れないで下さい。

竹中さんがテレビで分かり易く説明していました。「2,000億円の不動産を100数十億円で売るのではない。100数十億円の価値しかないものを郵政の既得権益者達が2,000億円出して作ったのだ」ということです。少なくとも、不動産業に従事した経験のある方は即座に理解できるはずです。

自分の身になって考えてみましょう。以下の提案をあなたが受けとします。「このレストランは贅を尽くして10億円をかけて作りました。しかし、毎月1,000万円の赤字です。ついては、1億円で売りますから買いませんか。条件は10名いる従業員を全員雇用し、2年間は閉店しないことです。場所ですか? 残念ながら、都心ではありません。最寄り駅からタクシーで2,000円かかりますが、それでも行くだけの価値があるレストランと思っています」。簡単ですね。このまま行けば、1億円プラス2.4億円、合計3.4億円の損が目の前に見えています。このレストランの価値はいくらでしょうか。10億円でしょうか ? これが経済です。、また、「俺が経営すれば毎月利益をあげてみせる」という経営者が出てくるかもしれないのが経済です。

(2009.2.15)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月14日 (土)

究極の「渡り」禁止策

前にも書きましたが、渡り斡旋を禁止しても渡りはなくなりません。麻生さんが渡り斡旋を禁止する政令を出す、と国会で明言した理由は、官僚からOKが出たからです。つまり、省庁が斡旋しなくても自動的に渡りを繰返すことに現実上の問題は無いから、国民をなだめるために(換言すれば、騙すために)考えた答弁です。密かにやれば済む問題であり以心伝心というやつでやれば、なんら問題はありません。

「渡り斡旋禁止」ではなく「渡り禁止」が必要ですが、法的にはかなり難しいでしょう。麻生さんの言うように、民間人が民間から請われて次の職場に行くことを禁止することはできないということです。実態上の渡り斡旋が行われ事実として70歳過ぎまでそれを繰り返し国民の税金を数億円ポケットに入れる仕組みは「渡り斡旋禁止」では絶対になくなりません。100%間違いありません。

では、本当に渡りを禁止する方策はあるのか、ということですが、実効性のある方策は次の方策のみでしょう。直接的に禁止することは法制上無理でしょう。

現在、公益法人等に12.6兆円の税金が流れていることはマスコミの報道するとおりでしょう。その一部が渡り官僚の超高額報酬に使われているわけで、殆どの公益法人はそれを目的に勝手な理由をつけては作り続けられてきたわけです。くれぐれも間違わないで下さい。その法人が本当に必要だから作られたのではなく、渡り先が必要だから後講釈で作られたのです。真の目的は渡り先の確保です。そこで法制上制定可能な法律は以下のような内容のものでしょう。

「①国から種々の名目で交付金等(要するに原資が税金であるもの)を受けている団体は給与体系を公表しなければならない。退職金規定も同様に公表しなければならない。②そのような団体においての理事や職員の最高年俸額は勤続10年に満たない場合は1,000万円とし、退職金は○年以上勤続で月例給与の○ヵ月分とする(段階的に設定。民間の退職金規定を参考にする。したがって、たたき上げの数十年の勤続者は民間並みの退職金を受取ることができるが、2、3年で渡りを繰返す元官僚には精々数百万円になる)」

以上で終わりです。簡単です。もっと給与を支払いたければ勿論問題はないが、国からの交付金や補助金はゼロになる、という規定です。これなら法律的に可能だと思います。つまり、民間の退職者が次の職場で待遇されると同程度(おそらく、それよりは上になるが)の待遇でない限り税金が投入されないことになりますから、本当に必要な法人ならそれを守るでしょう。また、官僚にしてみれば、そのような法人ではなくもっと高給を得られる行き先があるのであれば、本人の自由で勝手にそちらを選べば良いわけです。

民主党は「禁止、禁止」の大合唱で結構な話ですが、知恵を絞って欲しいものです。

もしかすると、単なる選挙目当てで本当はやる気は無いのかも。

(2009.2.14)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

小泉発言を誤解していませんか?

12日の小泉発言は大変な波紋を広げています。当然と言えば当然でが、皆さん真意を誤解していませんか、という話です。

郵政民営化に関する件については、マスコミの見解に誤解は無いと思います。小泉さんが怒り心頭に発して発言したものと考えてよいでしょう。いくらなんでも自分の内閣で担当大臣であった人間が(その後、直接担当ではないにしても所管大臣であることは間違いない)、「俺は反対だった」とか、4分社化という新聞で報道されまくった一丁目一番地の話を国民は知らなかったとか、「あなた、総理大臣である前に人間ですか」と言いたくなるような発言をすれば怒るよりもあきれるし、笑いたくもなるでしょう。

誤解しているのは定額給付金問題です。「後で実は反対だったとか言いたくないから」と麻生発言への皮肉も込めて表現していますが、真意は「3分の2を使ってまで通す法案ではないと思う。したがって、今の段階ではっきりその点を言っておく。ただし、党議で決めた以上は衆議院で再投票という状態になった場合に反対投票する気はない。だから、今、真意を言っておくのだ」という常識的な意味ではないかと思います。

なお、小泉発言に対する野田聖子大臣のコメントをテレビで見ましたが、がっかりしました。元々、郵政民営化という既得権益支配打破を目標とする基本政策に反対するような人物ですから、高くは評価していませんでしたが、裏に恨みをこめたような発言で人物の小ささを出していました。将来の総理大臣候補とはチャンチャラおかしいと思います。

(2009.2.14)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 7日 (土)

「郵政民営化」はどこに行ったのか? 改革逆行の麻生首相

昨日の国会答弁で「小泉首相時代に総務大臣であった自分は郵政民営化に賛成ではなかった」というとんでもない答弁を麻生首相はしました。唖然として口が開いたままでしばらく閉まりませんでした。小泉さんも「麻生君は反対ではなかった」と言っているようです。

いくらなんでもそうでしょう。衆議院の3分の2を占める議席を郵政民営化の可否を問うて得たわけで、その政権下でいやしくも大臣を務めた人が、肝心要の点に反対であるにもかかわらず大臣になりたいがだけの理由で首相に嘘をついて大臣のポスト得たと自供したわけですから、これまでの腰の定まらない発言にヘキヘキしている国民もさすがに驚いたでしょう。さすがの自民党内にも批判の声が高いようです。

小生も正直なところ、麻生さんには期待していました。なんとなく大衆の感覚をつかみそれを政治に生かす麻生さん、というような印象があったわけですが、ただの守旧派で、しかも、庶民の味方ではなく官僚の見方であり、庶民が途端の苦しみを受けているときに天下りを繰り返し億単位の報酬を税金からぶんだくる官僚の見方であることが明確になりました。

小生は民主党が小沢党首である限り、国の安全保障という本家本元の点が非常に心配で支持する気になれず自民党支持ですが(まさか、社民党や共産党に投票する気は何が起きてもありません。国民新党とは麻生さんをもう一段と守旧派にした人たちの税金ばら撒き集団です)、本当に国会議員は誰も国の行き末を心配していないのでしょうか。投票したい党がありません。改革意欲に燃えているのは渡邊喜美さんのみでは悲しすぎます。

選挙後の政界再編という声が強いようですが、この点は確かに評論家の言うとおりで国民への裏切りでしょう。選挙前に自分の立場を明らかにするべきです。

政治屋ばかりで政治家が殆どいないこの国の行く末が本当に心配です。

(2009.2.7)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 6日 (金)

公務員制度改革をやる気は無い麻生首相

公務員の渡り斡旋を認めなければならないケースもある、という答弁から、一切認めない、という答弁に変わりましたから、麻生首相は大いに公務員改革をやる気がある、と誤解してはいけません。

国会での質問に「一旦民間人になった人が、他の民間機関(この中には株式会社も入りますが、最も問題になっている天下りのための各種団体も含まれています)へ転職することに政治が介入できない」と返事しています。新聞やテレビで元水産庁長官が退職後既に70歳を過ぎても天下りを繰り返し3億6千万円を手にしたと報道しています。おそらく事実でしょう。

このような天下りが、麻生首相の指導力で無くなる、と誤解していませんか。大きな誤解です。麻生さんはこれは止められないし止めるべきではない、と言っているわけです。

現在は半ば公然と第一回天下りが各省の官房で決定され、斡旋されています。これを今後とも実施する方法は実に簡単です。最も公明正大(?)な方法は、一旦、辞職し半年程度浪人することです。実際には大学教授職やどこかの民間企業の顧問職等がひそかに官房から斡旋されます。その後は? もう分かりましたね。その後は民間人になっているわけですから、現在の天下り団体が民間の人材を求めて「是非、わが団体の理事長になって欲しい。あなた以外に人材はいない」とお願いするわけです。もちろん、文書に残らない形で監督官庁の官房が天下り団体に指示します。

つまり、麻生さんの答弁変更の理由は、おそらく、官僚から「(元官僚の)民間から民間への移動については政府は関与しない、と答弁してくれれば、それでOKです」と言われたのだと思います。

つまり、実態は痛くも痒くも無い、というのが官僚の本音でしょう。今までより少しやり方を変えれば、100%従来どおりで可能との自信を持った結果だと思いますし、その自信は正しいと思います。

これで麻生さんは改革に前向きであり、官僚が6,7千万円の退職金を得て後に、さらに、渡りを繰り返し3、4億円も退職後にタダ取りする仕組みがなくなるとは思わないことです。何も変わりません。

改革を止めようという路線の麻生さんに対抗する路線の方々を次回の選挙では是非応援したいものです。さもないと、おそらく50年経っても、官僚の渡りをどうにかしなければならない、という議論を国会でしているでしょうし、後から官僚の高笑いが聞こえてくるでしょう。

(2009.2.6)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 4日 (水)

「資本主義はなぜ自壊したのか」 中谷巌著

中谷巌先生が「資本主義はなぜ自壊したのか」という本を書いたようです。広告には「これは私の懺悔の書である」と書かれています。

この程度の不況(確かに、100年に1回かもしれませんし、それ以上かもしれません)で資本主義が自壊したとはチャンチャラおかしいというのが小生の意見です。ものすごく勉強され学会で名を成した方の本も読まないで(申し訳ありませんが、1,800円も出して読む気が起きません)、題名だけでアレコレ言えるのもブログの特権ということで一言。

資本主義は常に失敗しますし、それは歴史が何度も示しています。小さな失敗、大きな失敗いろいろありますが、最も頻繁なパターンはバブルとその崩壊による大不況です。確か、英語では「Bubble and burst」と言います。今回の「Burst」の原因はアメリカのサブプライムローンにあることは衆目の一致するところでしょう。それをネタにデリバティブ、特に、オプションが多用され、世界の金融機関と投資家が一時の過大な利益を享受し、今、破綻の危機にあることも事実です。Bubble and burstであることは同じです。反省して言えば、金融当局、特に米国の金融当局が早めに膨大なレバレッジをかけ、実体経済とは全く関係が無い世界で行われている錬金術に待ったをかけるべきでした。いや、それが実体経済だと誤認したところに問題があるのでしょう。グリンスパーンが反省しているほどですから、それはそれで正しいでしょう。また、米国の金融当局のみならず先進各国の金融当局は常に連絡を取り会議を開いているわけですから、米国のみに責任を押し付けるわけには行かないでしょう。

過去のバブル全てにいえることは、熱狂の最中に待ったをかけた例はない、ということです。それが人間なのでしょう。

人間は危機になると知恵を出します。過去の人類の歴史がそれを示しています。今回の不況もいずれ克服します。

今、絶対にやってはいけないことは、「自由経済が間違いである」、「資本主義は間違いである」という結論に達することです。国民に基本的人権を認めないで、独裁を行い、経済活動を官僚が規制する社会で国民に幸せをもたらした例は歴史上ありません。「資本主義なんて、本当に不完全な仕組みだ。しかし、人類はこれ以上のシステムをいまだ見出していない」という意味のことを述べたチャーチルの言を借りるまでも無く、人間の創意工夫を生かす仕組みを原点とする社会的枠組みを捨てることは、今以上に悲惨な社会を招きます。「職がない、食えない。住むところがない」と言っておきながら、福祉や農業分野では人手不足である、というような豊かな社会の基本を否定すると大変なことになる、ということです。泥んこ道に落ちた米粒を一粒一粒拾って生きていく子供達が当たり前に存在するような国になるでしょう。大げさなことを言っているわけではありません。1950年前後にはこの国は「この世の楽園」であると喧伝され、多くの人があこがれました。

中谷さんの本が基本をこの点に置いた上での資本主義批判であれば結構なことです。「常に失敗する資本主義、しかし、他に代替するものがない資本主義」をどうにか生かしていく(変えるのではなく)ための方策を考えているのであれば結構なことです。ただ、小生には結論は見えているような気がします。

対策は次のようなものしかありません。

現在の実物経済とは乖離した金融経済をどうにかして実物経済を補完するという本来の金融経済の役割に戻すことです。新たな規制を設ける他は無いでしょう。もちろん、自由経済路線という基盤は同じです。そして人間の英知に期待して自律回復するのを待つことになります。「自律」と言いましたが裏には凄まじい努力があった結果としての「自律」です。経済を基本的には自由にしている限り、必ず、そうなります。それが自由経済下における人間の凄さです。

今から、言っておいても100%間違いないでしょうが、必ず回復します。そして、またバブルになり、また、バブルがはじけます。忘れてはいけないのは、残念ながら、それが他のいかなる社会的システムよりも人類に大きな幸福をもたらす、という事実です。

(2009.2.4)

| | コメント (0) | トラックバック (2)

« 2009年1月 | トップページ | 2009年4月 »